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(写真上:コカムバターとコカムの木) ◆アーユルヴェーダ ◆おもしろインド ◆マクロビオティック ◆セイタン ◆更新情報 ◆リンク集 |
こしょうはスパイスの王様 |
サンスクリット名 : ピッパリー 和名 : 胡椒(こしょう)。 「胡」はシルクロード、「椒」は、ひりひり辛いもの、香辛料で、シルクロードを経て運ばれてきた香辛料の意味。 使用個所 : 果実 胡椒(こしょう)は学名 Piper nigrum、 コショウ科の熱帯性常緑つる性植物であり、またその果実からなる香辛料である。 |
大きなものは5~10メートルに達し、他の木に巻きついて生長する。
ブドウの房のように果実がなり、未熟の時は緑色。熟してくると赤くなる。
収穫できるのは発芽後3年くらいからで、その後も15~20年ほどは毎年実を取ることができる。
1本のつるからは2キロほどの胡椒を取ることができるという。
こしょうの原産地はインド南部のケララ州マラバル地方。 2500年ほど前にかかれたインドの抒情詩「ラーマーヤーナ」のなかに、「塩と胡椒で食べる食べ物」といった記述がある。 南インドでの栽培は紀元前500年代から始まっている。 現在はインド、インドネシア、マレーシア、ブラジルなどで栽培されている。 別名を「スパイスの王様」とも言われ、また中世のヴェネチア人は胡椒をさして「天国の種子」とも呼んだ。 中世のヨーロッパでは目の飛び出るような値段で取り引きされた。 ヨーロッパの胡椒の価値を表すのに、「一握りの胡椒は、同じ重さの黄金、もしくは牛一頭と引き換えにされた」という言葉がある。 1453年に、胡椒の交易ルートを抑えていた東ローマ帝国が滅亡すると、ヨーロッパの各国は新たな交易ルートの開拓に走る。 14世紀から16世紀にかけての大航海時代とヨーロッパ列強のアジア進出は、胡椒をはじめとする香辛料の獲得という目的があったのだ。 インド航路を開発したバスコ・ダ・ガマの持ち帰った香辛料は、仕入れ値の60倍以上の値段で売れたと言われる。 マゼラン艦隊が世界一周をしたときには、最初は5隻の船団と227名で出発したが、 途中の災難・事故で多くの乗組員が死亡し、帰り着いたのはたった1隻、わずか18名になっていた。 しかし途中で寄航したモルッカ諸島で約30トンのスパイスが積み込まれていたので、 これを売った利益は全船団の派遣費用をはるかに上回るものがあったという。 胡椒の辛味は不揮発性エーテル抽出物オレオレジンに含まれ、その主成分はピペリン、シャビシン、ビペリジンなど。 主な辛味成分はピペリンで、細かく粉砕すればするほど強く感じられるようになる。油に溶けやすいので、 コショウと油の相性も良いと言える。 香り成分は油脂分に含まれ、その主成分はα-ピネン、β-ピネン、l-α-フェランドレン、β-カリオフィレン、リモネン、ピペロナールなどで構成される。 胡椒は黒こしょう(ブラックペッパー)、白こしょう(ホワイトペッパー)、グリーンペッパー、ピンクペッパーなどの種類がある。 熟していない緑色の実を果皮ごと天日に乾すと黒胡椒となり、強い独特の風味がある。 塩漬けしたり、あるいは乾燥機を使って短期間で乾燥させると、果皮が緑色のままのグリーンペッパーとなる。 赤く熟した実を水に浸して皮を取り除き、核だけを乾燥させたのが白こしょうで、黒こしょうよりマイルドな味である。 この赤い実を塩漬けや乾燥機などの手段で短期間に乾燥させると、元の色が残ったままのピンクペッパーとなる。 いずれの場合も丸のまま使ったり、あるいは胡椒挽き(ペッパーミル)で粉にして使用する。 強力な殺菌・抗菌作用があり、冷蔵技術が未発達であった中世、特にヨーロッパにおいては、肉の保存、またその料理に不可欠のものであった。 日本には遣唐使を通じて奈良時代に持ち込まれており、正倉院の宝物の中にも胡椒があったことが判っている |
* ウィキペディア・・・ ゲルマン部族のアラリック1世はローマ帝国に侵略を控える代わりに金、銀、そして胡椒を貢物として要求した。 * 食材事典・・・ この小さなつぶが世界中の人々の食生活を変え、 航海や貿易を発展させる原動力となって歴史まで動かしたのです。 * SB研究所・・・ なぜこしょうを吸い込むとくしゃみが出るのですか?ピペリンというこしょうの辛味成分が鼻の痛覚を刺激して、くしゃみをおこすのではないかといわれています。 * 胡椒資料館・・・ 「医学の父」と呼ばれた紀元前5世紀ごろの医学者ヒポクラテスは、その著書の中で「胡椒と蜂蜜と酢を混ぜたものは婦人病に効く」と書き残している。 |
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