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インドのカシミール地方は、世界的にも有名なサフランの産地です。そして、この地方のサフランは、スーフィーと深いつながりがあるのです。パンポレのサフラン栽培農家の人は、みんな、サフランはスーフィーの聖者、ショクババがパンポレにもたらしてくれたもの、と信じています。
そんなパンポレのサフラン農家に出会うまでの様子を、ここでご紹介しましょう。
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サフラン畑で、スーフィー(神秘家)に出会った私はいま(2009年5月16日)、ダルゲートの近くにある、「ヌール・ゲストハウス」に投宿してます。 二階の私の部屋は湖(といっても始まりの部分なので、川のようですけど。。。)に面していて、3方向が全面ガラス戸なので、たいへん明るく、開けていて、気にいっています。 部屋から湖をながめる。 ここのご主人、シャキールさんにサフランのことを話すと、まず友人のファヤズさんを紹介してくれました。 そして、ファヤズさんがパンポレでフルーツ屋をやっている従兄弟のマンズ-ルさんと連絡を取ってくれました。 それで、翌日、私は英語の話せるタジャムル君というリキシャ・ドライバーを雇って、パンポレにやってきました。 インド・コネクション・・・、インドではこのようにしてものごとが起こっていくのです。 マンズ-ルさんのフルーツ・ショップはすぐ見つかって、今度はクルドというサフランを作る人のところに行きたい,と言うと、周りの人がみんな集まってきて、ああだ、こうだ、しゃべっていました。結局、だれもわからずに、マンズールさんがファヤズさんに電話して、それはクマールのことだと判明。クルドはクマールの愛称なのだそうです。 クマールは3軒となりでギフトショップをやっている人で、私にサフランのパックを見せてくれました。 1g、300ルピー(約700円)だと言います。 ええ!?、と私は驚きましたね。 なぜなら、この価格はムンバイやゴアで買う値段と同じだからです。 私は、カシミールまで来れば当然、産地価格で安いのだろうと思っていました。 だって、あいだに問屋とかお店とかのマージンがはいって、輸送費だってけっこうかかるだろうし・・・、ま、半分とまではいかなくても、それくらいは安いだろうと思ったわけです。 それで、「こいつ、ぼってるんちゃうんか?」と思って、あとはいい加減にあしらっておくことにしました。 いちおう、ファヤズさんやマンズールさんの手前もあるから・・・、あまり悪い言葉は使わないようにして、ね。 マンズールさんに頼んで、じゃ、サフランの畑に連れて行ってくれないか、と頼むと、いいよ、と自分の店をほったらかしにして、私たちをそこから2キロほど南に連れていきました。 一面に広がるサフランの畑でした・・・、もっともこの時期はサフランの花は咲いてないのですが、ひろびろとした大地のむこうにヒマラヤの尾根がみえて、のどかな、田園風景です。 ちょうどそこにひとりの老人がいたので、マンズールさんとタジャムル君が老人に話しかけました。 老人と、バックは広大なサフラン畑。 タジャムル君の通訳によれば(その老人は英語を話さないのです)、彼はママスディール、この土地の所有者で全部で16ヘクタールあるということです。 サフランは10月に芽をだして、3月20日から4月にかけて花を咲かせるのだそうです。 枯れたわらのようなものを土から抜いて、これがサフランの枯れたものだといって見せてくれました。 私はサフランの花は10月末から11月にかけて開花すると聞いてたので、この老人に何回か、11月じゃないのか?、と聞くのですが、そのたびに老人は、否定して、3月から4月にかけてだと、断言するのです。 私は、怪訝な面持ちながらも、パンポレのサフラン栽培農家がサフランの畑のなかでそう言うのだから、ひょっとすると年2回収穫するのかな、なんても思ったりしましたが、老人はやはり、そうじゃない、4月1回だけだ、と言うのです。 「1月か2月に種をまくのだ。まくときは、それぞれの種を40cmくらいの間隔をあけて、まいていくのだ」 ああ、そうですか。と、我々は老人の講義を聞いてました。 サフラン畑に坐って、マンスールとタジャムルに講義する老人。 で、私は1月か2月に種をまいて、4月に収穫するのに、なんで10月に芽が出るのか、と聞くと、老人は種をまくのは10年に一回だけだ。後は、ひとりでに10月になると芽がでてくるのだ、と言います。 なるほど、そうなのか・・・なんて思いました。 いくらで売るのか、という質問に、老人は1トラ、2,500ルピーと、言います。ということは、1gが250ルピーです。 質問に答えてくれる老人。 やっぱり高いなあ、と私は思うのです。 そう言うと、老人は、「サフランは高いものだ」と答えます。 ま、それはそうですけどね。でも、ゴアと同じ値段ってことはないんじゃないの? 老人は,にこにこしていました。 あなたのサフランを買いたいが,売ってくれるか?と聞いたら、家に兄弟がいるから、そこへ行って買えばよい、と言って、マンズールさんに住所を教えました。 私たちは老人に礼を言って、また町に戻り、その住所の家に行きました。 老人とまじゅさん、手に持っているのはサフランの枯れ草!? すると、そこには、女性が二人いて、ここはママスディールの家ではないと言います。住所はあってるけど、そんな人は知らない。と言うのです。 我々は、だんだん狐につままれたような気がしてきて、なんだかわからなくなりました。 タジャムル君は、「ママスディールというサフラン農家は、このへんにはいないのか?」と女性に聞いているようです。 すると、女性は、「ママスディールは知らないけど、サフラン農家なら一人いるわよ」と言って、我々をサモサやスィートなどを売っている店に連れて行ってくれました。 そこが、サフラン栽培農家、バシール・モハメッド・ミリのお店だったのです。 バシール・モハメッド・ミリについては、また次の章でご紹介します。 このときは、サフラン畑でみた老人がたいへん気にいってたものだから、また同じ場所に戻っていったのです。 ママバシールは、もうどこにもいませんでした。 まるで、サフラン畑のなかに忽然と消えていってしまったかのようです。 200メートルほど離れたところで仕事をしていた人たちに聞いても、だれもそんな人は知らないというのです。 その人たちが、本物のその畑の所有者だったわけですけどね。 あとから、いろいろサフランについて話を聞くと、サフランは私が思ってたように、やはり11月に花を咲かせるのです。 そうするうちに、私のなかではようやく、いろいろつじつまの合わない話やら、奇妙なできごとの連続が、だんだんはっきりとしてきたというわけですよ。 若いタジャムル君は、憤慨して、「あのジジイ、なにからなにまでみんな嘘っぱちじゃないか!」なんて、憤慨してましたが、そのころには私はこの奇妙奇天烈な出会いの意味がわかってきたのです。 たいへんありがたい、インビテーション(招待)をいただいたわけなのです。サフラン畑の精霊(スピリット)から・・・ね。 サフラン畑に立つ、不思議な老人。 あれはスーフィーの神秘家であり、あのようにして私を360度ぐるりとサフラン畑で一回転させてくれたというわけ。 モハメッド・バシール、もう一度会いたいものですけど・・・。 神秘家だったら、もう今生では会わないかもね。 でも、いい出会いだったなあ、と今でも思っているのです。 サフラン畑と、雪をいだいたヒマラヤの山々。 |
左は、私がサフラン栽培農家から直接買ったサフラン。生薬のような強い香りがして、色がエンジ色、ひとつひとつにめしべのトップの部分がついている。右は、ラウルチョークの店で買ったさふらん。色が赤っぽく、半分くらいにはトップの部分がなく、線のようなサフランである。ここいらの人は、だれもがこれはフェイク(にせもの)だと言います。しかも、驚くことに、「J&K政府承認」と明記されているのです。いったい、何を承認しているのだろうと、不思議です。が、私もようやくいろいろサフランについてわかってきたね。 |
最良のサフランの見分け方を、カシミールのサフラン栽培農家から聞きました。
カシミール・サフランは品質も世界一だと言われていますが、価格も世界一高いのです。それでイランなどから安いサフランが入り込んで、ミックスされたりして、ディーラーなどの手によって操作されているのが現状です。 私はゴアやムンバイでサフラン1g、250から300ルピー(約650-700円)で売られているから、カシミールに来たら半分くらいの価格だろうと思ってました。 しかし、スリナガルの銀座通り、ラウルチョークの目抜き通りのドライフルーツ・ショップで買っても、同じ値段です。 驚いたことに、パンポレという村のサフラン栽培農家から直接買っても、やっぱり1g300ルピー(約700円)なのです。 しかし、その秘密が少しづつ解き明かされていくと、私はふかーく感心しましたね。 わかってみると、なんでも、「なるほど」と納得するものですが、このサフランの価格と品質のからくりは、なるほど、を凌駕する「なーるほど、そうなのか!」でした。 ※ひとつは、さきほど書いたように、安いイラン産のサフランと混ぜること。 ※第二の方法は、サフラン農家はサフランの上のほうと下のほうを半分にちぎって出すことがあって、下のほうはだいたい8分の1くらいの値段で売られるそうなのです。それに、イランからやってきた安いサフランを混ぜると、ゴアの最終小売価格が300ルピーで収まるのです。 しかし、パンポレまでやってきて、サフラン栽培農家から直接買っても、いちばんよい部分だけを買おうとすると、やはり1g300ルピーになるというわけです。 では、ベストな部分は何になるのかと言うと、、アーユルヴェーダの薬の材料として買われていくのです。当然、アーユルヴェーダの医者は、何が本物か知ってますからね。そこから、アーユルヴェーダの薬も調合するのでしょうから。 ですから、よいサフランの見分け方は、このようにして見分けてください。 (1)匂いが強く、その匂いは生薬(漢方)のようなにおいであること。 (2)色が濃いエンジ色であり、赤やオレンジ色ではないこと。最近は、色まで染められた人工のものがでてきているらしい。 (3)ちょっと見ると、盛りあがった山のようなめしべの上の部分がついていること。ただの細い線のようなサフランは、めしべの上の部分をアーユルヴェーダの薬用にとったあとの、安い品質のものとされる。 このようなことを知ったうえでサフランを購入してみると、またひと味おもしろみも増すというものです。 サフランは高価なものです。もし小売価格が1gあたり1000円以下だったとしたら、ディーラーたちによって何か細工(工夫)がされていると考えて、間違いないでしょうね。 いろいろな価格のサフランを検討してみながら、最高級のサフランの味わいもお楽しみになってくださいね。 |
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