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インドのカシミール地方は、世界的にも有名なサフランの産地です。そして、この地方のサフランは、スーフィーと深いつながりがあるのです。パンポレのサフラン栽培農家の人は、みんな、サフランはスーフィーの聖者、ショクババがパンポレにもたらしてくれたもの、と信じています。
そんなパンポレのサフラン農家に出会うまでの様子を、ここでご紹介しましょう。
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サフランの里 -カシミールのパンポレ村-一面に広がるサフラン畑と、雪をいだいたヒマラヤの山々。 インドの北部に位置するカシミール州は、ほとんどの人がイスラム教を信仰しています。 それが原因で、パキスタン(イスラム教)とインド(ヒンズー教)の国のあいだで、たえず紛争の種になってますね。 10年位前に、私がマナリの側からラダックに行ったときには、カリギル戦争が起こっていました。 もっともラダック自体はチベット仏教の地ですから、レーに入ってしまうと、100キロ先で戦争が起こっているなんて信じられないほど、静かで、平和にみちてましたけど・・・かえって、台風の目だったのでしょうか。 とにかく、そういうわけで、カシミール州は旅行者にとってはちょっとぶっそうな地域なんですよ。 テロリスト(?)の基地も近くにあるとかで、スリナガルの街や、その周辺にはものすごい数の軍隊が常駐しています。 ほとんど20mにひとりというかんじで、銃を装備した軍人が立ってます。 いつでも銃を撃てるアラート体制でいますから、雰囲気がほかの地域で見るのとかなり違うって感じです。 本気だな。。。いつでも撃ちそうだな。。。というかんじです。 知らんぷりして歩いてますけどね。。。やはり、自分のなかのどこかがピリッと緊張しているのがわかります。 向こうの緊張をこちらがかんじるのでしょうね。 空気はヒマラヤの清浄な酸素に満たされ、水はヒマラヤの雪解け水が豊かに多くの湖に入り込み、そして滋養にみちた土壌は多くの作物を送り出してくれます。この辺の野菜屋には、蓮根が山のように積んであるのが、「おお!」と私の目を引きますね。 自然の恵みを豊かに受け取ったこのカシミール地方の中でも、きわだって神秘的で、豊饒な恩恵をさずかったのが、パンポレというところです。 パンポレはスリナガルから15キロほど南東に位置する地方で、ここは世界的に有名な「カシミールのサフラン」が栽培されているところなのです。 不思議なことに、サフランの栽培はこのパンポレでしかできないのだそうです。 サフランを収穫する人(10月ー11月) ここの土がサフランに最適であり、ほかの土地ではサフランは育たないのだ、とパンポレの人たちは言ってました。 だから、彼らは、パンポレの土はアッラーの特別な恵みだと思っているわけです。 私もそれを聞いたとき、不思議だなあ、と思ったものです。 パンポレ以外では、サフランは栽培できない。 パンプレでしかサフランは栽培されていない。 パンポレなんて、小さないくつかの村の集合体にすぎないのですよ。 「カシミールのサフラン」というのが、インドだけでなく世界中の通り名ですが、実際には「パンポレのサフラン」なのです。 |
左は、私がサフラン栽培農家から直接買ったサフラン。生薬のような強い香りがして、色がエンジ色、ひとつひとつにめしべのトップの部分がついている。右は、ラウルチョークの店で買ったさふらん。色が赤っぽく、半分くらいにはトップの部分がなく、線のようなサフランである。ここいらの人は、だれもがこれはフェイク(にせもの)だと言います。しかも、驚くことに、「J&K政府承認」と明記されているのです。いったい、何を承認しているのだろうと、不思議です。が、私もようやくいろいろサフランについてわかってきたね。 |
最良のサフランの見分け方を、カシミールのサフラン栽培農家から聞きました。
カシミール・サフランは品質も世界一だと言われていますが、価格も世界一高いのです。それでイランなどから安いサフランが入り込んで、ミックスされたりして、ディーラーなどの手によって操作されているのが現状です。 私はゴアやムンバイでサフラン1g、250から300ルピー(約650-700円)で売られているから、カシミールに来たら半分くらいの価格だろうと思ってました。 しかし、スリナガルの銀座通り、ラウルチョークの目抜き通りのドライフルーツ・ショップで買っても、同じ値段です。 驚いたことに、パンポレという村のサフラン栽培農家から直接買っても、やっぱり1g300ルピー(約700円)なのです。 しかし、その秘密が少しづつ解き明かされていくと、私はふかーく感心しましたね。 わかってみると、なんでも、「なるほど」と納得するものですが、このサフランの価格と品質のからくりは、なるほど、を凌駕する「なーるほど、そうなのか!」でした。 ※ひとつは、さきほど書いたように、安いイラン産のサフランと混ぜること。 ※第二の方法は、サフラン農家はサフランの上のほうと下のほうを半分にちぎって出すことがあって、下のほうはだいたい8分の1くらいの値段で売られるそうなのです。それに、イランからやってきた安いサフランを混ぜると、ゴアの最終小売価格が300ルピーで収まるのです。 しかし、パンポレまでやってきて、サフラン栽培農家から直接買っても、いちばんよい部分だけを買おうとすると、やはり1g300ルピーになるというわけです。 では、ベストな部分は何になるのかと言うと、、アーユルヴェーダの薬の材料として買われていくのです。当然、アーユルヴェーダの医者は、何が本物か知ってますからね。そこから、アーユルヴェーダの薬も調合するのでしょうから。 ですから、よいサフランの見分け方は、このようにして見分けてください。 (1)匂いが強く、その匂いは生薬(漢方)のようなにおいであること。 (2)色が濃いエンジ色であり、赤やオレンジ色ではないこと。最近は、色まで染められた人工のものがでてきているらしい。 (3)ちょっと見ると、盛りあがった山のようなめしべの上の部分がついていること。ただの細い線のようなサフランは、めしべの上の部分をアーユルヴェーダの薬用にとったあとの、安い品質のものとされる。 このようなことを知ったうえでサフランを購入してみると、またひと味おもしろみも増すというものです。 サフランは高価なものです。もし小売価格が1gあたり1000円以下だったとしたら、ディーラーたちによって何か細工(工夫)がされていると考えて、間違いないでしょうね。 いろいろな価格のサフランを検討してみながら、最高級のサフランの味わいもお楽しみになってくださいね。 |
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